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不安からの大逆転――2度目のゾーン体験と自己ベスト更新

• 2025.06.02

こんにちは、スタッフの松下です！😊

 

前回は、高校時代に初めて「ゾーン」に入った体験についてお話ししました。

今回はその2回目の体験をご紹介します。

 

 

2度目のゾーン突入は、29歳になる年の5月に行われた大会での出来事でした。

その年の冬季練習を順調に終え、万全の状態で迎えたシーズン。

目標は、日本選手権の参加標準記録である「15m70」を突破することでした。

 

試合当日のコンディションはというと、

体が重くだるさを感じ、メンタル面でも

「どうしても記録を出したい」という焦りと、

「ケガをするのではないか」

という不安が入り混じっていました😬

 

試合が始まり、まずは1本目。

不安を抱えたままの跳躍は踏切板を踏み越え、

痛恨のファール。

肩に力が入り、上半身と下半身の連動もうまくいかず、

普段あまり出さないファールを初っ端からしてしまい、

「今日はダメかもしれない」

と不安がさらに大きくなっていきました。

 

続く2本目も、まだ緊張が残る中での跳躍。結果は14m54。

なんとか記録を残し、ベスト8進出を決め、

少しだけ心が落ち着きました。

しかし、目標の15m70まではまだ遠く、

「この状態でそこまで届くのか…」

と、冷静に現実が見えてきたのもこの頃でした。

 

3本目ではようやく身体がほぐれてきた感覚があり、

記録は14m90。

あと2cmで自己ベストというところまで迫る跳躍で、

現役復帰後のベスト記録でした。

この時点で目標を

「日本選手権出場」

から

「まずは15mを超え、自己ベストを更新すること」へと切り替えました。

 

迎えた4本目。完全に緊張が解け、

助走のスピードも上がり、跳躍の感覚も良好。

感触としてはかなり良かったのですが、惜しくもファール。

それだけに悔しさが込み上げ、

思わず声を荒げてしまったのを覚えています😳

 

そして5本目。

「4本目の感覚で跳べば必ず結果が出る」

と自分に言い聞かせ、冷静に助走に入りました。

結果は15m18で自己ベスト更新。

喜びと同時に、「まだいける」という不思議な感覚が残っていました😝

 

そして最終6本目。

スタンドに手拍子を求め、気持ちを高めながらも心は静かに落ち着いていました。

助走の一歩目を踏み出した瞬間から、

自分の動きがまるでスローモーションのように感じられ、

力を入れていないのに自然と加速していく

――そんな感覚に包まれていました。

踏切もぴたりと合い、跳躍局面では身体がとても軽く、

まるでスーパーボールのように弾むような跳躍でした。

「これはいけた」と確信した跳躍。結果は15m42。

自己ベストを一気に50cmも更新する、大きなジャンプでした🙌

 

 

 

1回目のゾーン体験と比べ、

今回の体験には大きく2つの違いがありました。

 

ひとつは「試合前の心理状態」、

そしてもうひとつは「スローモーション感覚」の有無です。

 

1回目の時は、試合前から「絶対に目標を達成できる」という確信があり、心も体も整っていました。

一方で今回の2回目は、不安を抱えながらのスタート。

しかし、試技を重ねながら徐々に自信を取り戻し、

目標を状況に応じて柔軟に見直すことで、

最後には心と体が一致した理想的な状態にたどり着くことができました。

 

また、2回目のゾーン体験では、

まるで自分の動きがスローモーションのように感じられ、

身体が勝手に理想的に動いてくれるような

「フロー状態」に入ることができました。

これは1回目にはなかった、特別な感覚でした。

 

以上が、私が競技を通じて経験した不思議な体験、

「ゾーン」に入ったときのことです。

改めて感じたのは、どんな心理状態であっても、

自分の動きを通じて心と体を整え、

少しずつベストに近づいていく

――そのプロセス自体がとても大切だということでした。

 

これからも地道に、自分なりのペースで

競技力の向上を目指していきたいと思います😁